更生保護施設態勢強化に歓迎の声「社会復帰の最後のとりで」

 更生保護施設で高齢者・障害者の出所者を指導する福祉スタッフをほぼ倍増するなど受け入れ体制強化の方向性を法務省が示した。通常より負担が重い施設を支援する施策に対し、関係者からは歓迎する声が上がっている。法務省は「社会復帰の最後のとりで」と呼ばれる更生保護施設だけでなく、自立準備ホームや民間企業の協力体制づくりも進めており、官民をあげた再犯防止の旗振り役を務めている。

 更生保護施設は、保護観察所の委託を受け、釈放されたばかりの出所者に生活指導や就労支援を行う。出所者は施設で暮らしながら仕事を探し、やがてアパートへ転居するなどして社会に復帰していく。

 元刑務官や犯罪者の更生支援を志す高齢者らが更生保護法人の一員として運営するが、「定員20人、職員4人程度の小規模施設で、365日、1日24時間、出所者を処遇する極限状態の施設も少なくない」(法務省保護局)という。

 更生保護施設は、受け入れ人数や日数などに応じ、国から委託費を受給し運営費に充てる。限られた職員で運営しなければ経営が成り立たず、稼働率を上げられないところが少なくないため、同局幹部は「福祉の専門家や非常勤職員を増やせば、受け入れ人数の増加が期待できる」と話す。

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