味の素、わずか1ユーロで仏の甘味料子会社売却 ブラジルの即席麺は合弁解消し日清食品HDに売却

 味の素は27日、フランスで人工甘味料「アスパルテーム」を生産・販売する全額出資子会社の「欧州味の素甘味料」の全保有株式を、オランダの甘味料販売業者に10月1日付で売却すると発表した。売却額は1ユーロ(約135円)。競争激化で採算が悪化していたため。これに伴い70億円の特別損失が発生するが、28年3月期の業績予想には織り込み済みとしている。

 一方、味の素は同日、日清食品ホールディングス(HD)とのブラジルの即席麺の折半出資会社の合弁を解消すると発表した。10月30日付で味の素が保有する全株式50%分を日清食品HDに325億円で売却する。味の素は調味料や加工食品などへ経営資源の集中を進めており、即席麺の強化を急ぐ日清食品HDへの株式売却が妥当と判断した。株式売却により味の素は平成28年3月期に約250億円の特別利益を計上する見込み。

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