砲撃の応酬など軍事的緊張が高まっていた韓国と北朝鮮が、計40時間を超す高官協議の末、衝突回避で合意した。
韓国側での地雷爆発に北朝鮮が「遺憾」の意を表明し、韓国は拡声器で北朝鮮指導部を非難する宣伝放送を中断した。
合意内容には、北朝鮮が前線地帯に宣言した「準戦時状態」の解除が含まれる。一触即発の危機がひとまず回避されたのはよかった。
だが、重要なのは、北朝鮮による日本を含む周辺国への恫喝(どうかつ)や挑発をやめさせることだ。
北朝鮮は今回も一方的に緊張を高め、相手を交渉の場に引き出す「瀬戸際外交」を展開した。同様のことが繰り返されないよう、韓国はもちろん、日米両国も警戒を緩めてはなるまい。
軍事的緊張の発端は、地雷によって韓国軍兵士2人が重傷を負ったことだった。
韓国側は、北朝鮮の遺憾表明について地雷の設置を認めて謝罪したと解釈しているが、発表された共同報道文には、北朝鮮の明確な謝罪や責任者の処罰は盛り込まれていない。言い逃れの余地を残したのは残念だ。
南北は、関係改善のための当局者会談の早期開催や離散家族再会事業推進に向けた南北赤十字の協議実施でも合意した。