福島第1「サブドレン」計画 全漁連が容認「まさに苦渋の決断」

 全国漁業協同組合連合会(岸宏会長)は25日、東京電力福島第1原発の汚染水低減策で、建屋周辺の井戸「サブドレン」などからくみあげた地下水を浄化して海洋に放出する計画について、国と東電に実施を容認する考えを伝えた。計画は来月にも実施される見通し。

 岸会長は同日、東電の広瀬直己社長に対し「まさに苦渋の決断だが、計画が汚染水そのものの発生量を低減させ、操業再開のステップになると判断した」と述べ、改めてモニタリング態勢の強化や風評被害対策などを東電側に申し入れた。

 広瀬社長は「申し入れをしっかりと受け止めて、計画を着実に実施していくことで、周辺漁業の本格操業に結びつけていきたい」と話した。

 計画をめぐっては、地元の福島県漁連が11日に容認の条件として、放射性物質の基準値厳守▽事故の被害が続く限り漁業者への損害賠償を維持▽多核種除去装置(ALPS、アルプス)処理水は理解を得られない限り海に放出しない-などの5項目を盛り込んだ要望書を提出。25日、国と東電が全項目に応じる形で回答し、了承された。

会員限定記事会員サービス詳細