夏休みが暗転したというにはあまりに惨(むご)い。
大阪府寝屋川市の中学1年の女子生徒が殺害され、一緒にいた同級生の男子生徒も遺体で発見された。ともに顔や手を粘着テープで巻かれ、女子生徒には30カ所以上の切り傷もあった。
45歳の男が死体遺棄容疑で逮捕された。鬼畜の仕業としか言いようがない。
まだ動機など犯行の詳細は判明しないが、無防備な子供たちをどうしたら守れるのか。突きつけられた課題に答えを見つけ出さなければならない。
逮捕の決め手になったのは、防犯カメラの映像だった。
女子生徒の遺体が発見された高槻市の現場周辺の防犯カメラに不審な動きをするグレーの軽ワゴン車が写っていた。大阪府警は幹線道路の防犯カメラの映像からこの車のナンバーを割り出して所有者の男を突き止め、さらによく似た男が柏原市内のコンビニで粘着テープを購入するのを確認した。
手間のかかる映像解析によって、複数の現場という「点」を「線」で結んだ。今回の事件は、防犯カメラが犯罪捜査に有効であることを実証した。