戦後70年談話

「日露戦争勝利がアジア諸国を勇気づけた」は正しい指摘 フランシス・パイク氏(英国人歴史家)

フランシス・パイク氏。経済・地政学アドバイザーで、今年、1941年から45年までの太平洋戦争を描いた近代史の新著「ヒロヒトの戦争」を出版した
フランシス・パイク氏。経済・地政学アドバイザーで、今年、1941年から45年までの太平洋戦争を描いた近代史の新著「ヒロヒトの戦争」を出版した

 談話は、アジア諸国と国内のナショナリストからの敵対的な反応を和らげるという意味で上出来だった。さらに、歴代の日本の首相が行ったどの謝罪よりも意味深く、誠実なものであった。

 いくつか談話の中で気づいたことを指摘したい。

 まず、日露戦争における日本の勝利が植民地支配のもとにあったアジア諸国を勇気づけたとの指摘は、正しい。だが、その後の歴史を見れば、古い支配者が新しい支配者に置き換わっただけだった。それでも、安倍氏の指摘は、国内のナショナリストを喜ばせるという意味で意義があるものだ。

 次いで、安倍氏が戦争とは何ら関わりのない、子や孫、その先の世代の子供たちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならないと発言したくだりには、全面的に賛成する。

 さらに言うならば、謝罪を求め続ければ、日本の若者たちは罪の意識を植え付けられていると憤慨し始めるだろう。それは、中国やほかのアジアの国々にとってまったく逆効果を招くことになりかねない。この傾向は、同じ敗戦国のドイツでも見受けられる。