イスラム国 続・テロリストたちの告白(下)

少年兵が武装し処刑執行人「子供の心壊れる」 

 ムハンマド(29)=仮名=が、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が掌握するイラク北部モスルから脱出したのは、約2カ月前のことだ。現在はクルド人自治区の友人宅に身を寄せる。仮名としたのは、実名がイスラム国側に伝われば、モスルの親族に危害が及ぶ恐れがあるためだ。

 失敗すれば処刑の危険もある脱出を決意したのは、イスラム国が接収した病院で「6歳くらいの男の子がカラシニコフ小銃で武装し警備をしていた」のを目の当たりにしたときだった。

 ムハンマドによると、モスルでは昨年秋の新学期以降、イスラム国の戦闘員が小学校を巡回するようになった。戦闘員は数日間、生徒たちにジハード(聖戦)の「大義」を教え込み、最後には「誰が参加したい?」と尋ねる。そこで手を挙げた生徒は訓練キャンプに連れて行かれ、兵士として養成されるのだという。

 ムハンマドは「子供を守るために逃げなくては、と思った」。モスルが昨年6月にイスラム国に制圧されて以降、勤め先が請け負う携帯電話会社の工事業務がなくなってしまっていたことも脱出を急ぐ理由だった。

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 イスラム国は今年7月、シリア中部パルミラで少年が男性の首を切り落とす映像をネット上に公開した。5月にもイスラム国が「イスラエルのスパイ」だとして拘束した男性を別の少年が射殺する映像が流れた。少年らの年齢は不明だが、映像からは10歳前後との印象を受ける。