イスラム国 続・テロリストたちの告白(中)

移住企てた若者たちは…世界支配も結婚も「楽園」なら

 イラク北部スレイマニヤで父親が営む青果店を手伝っていたクルド人、ナジュワーン(18)はここ数年、ある考えに夢中になっていた。「世界はイスラムが支配すべきだ。そのためには戦争も必要だ」

 友人は2013年から義勇兵として内戦下のシリアへ入り、国際テロ組織アルカーイダ系のヌスラ戦線でアサド政権に対する闘争に参加していた。彼から時折届くメールも、その思いに拍車をかけた。そこには「至る所にイスラムの旗が掲げられている」「ここは素晴らしい所だ」といった言葉が並んでいた。

 ヌスラ戦線との確執からアルカーイダと決別したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がシリア・イラク両国で勢力を急拡大させた14年夏ごろ、友人はイスラム国にくら替えしたようだった。そのころからメールで、最高指導者のアブーバクル・バグダーディを「本物のカリフ(預言者ムハンマドの後継者)だ」と称賛し、「お前も(イスラム国へ)来い」と強く誘うようになった。ナジュワーンは、こうした連絡がくるたびに興奮し、「すごくうれしい気持ちになった」と振り返る。