【ソウル=藤本欣也】韓国大統領府は20日、朴槿恵大統領が来月2~4日に中国を訪問し、北京で3日に開かれる抗日戦争勝利記念行事に出席すると発表した。天安門前で行われる軍事パレードに参加するかは「決まっていない」としている。
同記念行事をめぐっては、米欧の主要国が中国の軍拡などに反発し首脳の出席表明を見合わせる中、習近平国家主席から招請を受けた朴大統領が出席に踏み切るか注目されていた。軍事パレードに関しては、朝鮮戦争に「義勇軍」の名目で参戦し、韓国側と戦火を交えた中国人民解放軍に、「朴大統領が拍手を送ることなどできない」(東亜日報)といった反対論が国内に少なくない。
朴大統領としては訪中時に習主席と会談し、韓国での年内開催を調整している日中韓首脳会談への参加意思を中国側から引き出すことを狙っているとみられる。日中韓首脳会談の場を利用して、懸案の日韓首脳会談を実現させれば、米国が望む日韓関係改善に資する、との判断だ。
大統領府は、朴大統領が訪米し10月16日にオバマ大統領と首脳会談を行うと発表。朴大統領の訪中の布石ではないかとの見方が強まっていた。