大阪市中央区のアメリカ村で5月、飲酒運転の車にはねられ3人が死傷した事故で、遺族らが17日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの罪に問われた美容師、白坂愛里被告(25)=公判中=について、危険運転致死傷罪への訴因変更を求める上申書を大阪地裁と大阪地検に提出した。遺族らが集めた7万5千人分の署名も添えた。
起訴状によると、白坂被告は5月11日未明、大阪市中央区の飲食店で飲酒後に車を運転。自転車に乗っていた同市浪速区の看護師、河本恵果(けいか)さん(24)をはねて死亡させ、友人の林優花さん(24)ら2人に重軽傷を負わせたとされる。被告の呼気からは1リットル当たり0・2ミリグラムのアルコールが検出された。
府警は白坂被告を過失致死傷などの容疑で逮捕し、罰則の重い危険運転致死傷に切り替えて送検したが、地検は「正常な運転が困難な状態と立証するには状況証拠が乏しい」として過失致死傷罪で起訴していた。
上申書提出後に記者会見した河本さんの母、友紀さん(43)は「検察の説明に納得がいかない。正しい罪名で裁判をやり直してほしい」と言葉を詰まらせた。林さんも「悪質な飲酒運転がなぜ過失なのか。世間(の感覚)との矛盾がある」と訴えた。