東芝、内部の人材枯渇で「西室人脈」を活用 室町氏慰留も

新経営体制および業績予想についての会見に臨む、東芝の室町正志社長(左)ら=18日午後、東京都港区の東芝本社(鴨川一也撮影)
新経営体制および業績予想についての会見に臨む、東芝の室町正志社長(左)ら=18日午後、東京都港区の東芝本社(鴨川一也撮影)

 東芝が18日発表した新経営体制の柱は、社外取締役を活用し、経営を執行する社長らを監督する機能を強化することだ。その人事で影響力をみせたのが、元社長で相談役の西室泰三・日本郵政社長だった。不祥事発覚前の取締役で続投が決まっているのは室町正志会長兼社長と伊丹敬之東京理科大教授(経営刷新委員会委員長)の2人だけ。内部の人材が枯渇する中、「西室人脈」が活用された。

 先月21日、当時の田中久雄社長や副社長4人らが東芝を去った。室町氏も辞意を示していたが、「残る方がつらいだろうが、絶対に辞めないでくれ」と慰留したのが西室氏だった。

 東芝には、50年前に石川島播磨重工業(現IHI)から社長に迎えた土光敏夫氏が立て直した前例がある。しかし、西室氏は外部招(しょう)聘(へい)に当初から否定的だった。原子力から半導体、家電まで事業が多岐にわたる東芝では、社内事情に通じていなければ経営ができない、という確信からだ。

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