国内最大級のハス群生地として知られる草津市・烏丸半島の琵琶湖岸で、今夏は開花の少ない状況が続いている。6~7月の天候不順で日照時間が少なかったためとみられ、例年の3割程度の咲き具合にとどまっている。その一方、いつもはシーズンがほぼ終了している今月中旬に入っても、まばらながら花が咲き続けており、専門家は「こんな状況は初めて」と首をかしげている。
烏丸半島一帯のハス群生地は約13ヘクタールあり、年々広がりをみせている。毎年7月下旬に開花のピークを迎え、30万輪以上が咲き誇り、薄桃色の花弁が辺り一面を染め上げる。この時期は、こうした様子を撮影しようと、県内外から大勢の写真愛好家らが詰めかける。
だが、今年は7月に入っても咲き具合はまばらで、ピーク時の同月下旬の開花数は例年の3割程度。草津市公園緑地課の上田雅也副参事は「20年以上、ハス群生地を観察し続けているが、花がこんなに少ないのは初めて。開花前の日照時間が短かったため、生育が悪かったのではないか」とみる。
彦根地方気象台によると、今年6、7月の日照時間は大津市で計約265時間。1日当たり平年より約40分短かった。
その一方、例年はお盆の頃になると花弁の大半が落ちてしまっているが、今年はまだ鮮やかに咲き続けている。その数は、まばらながら今年のピーク時と同程度とみられる。
ハス群生地近くに立地する「市立水生植物公園みずの森」の遠藤健彦・副公園長は「開花数こそ少ないものの、観賞時期が長く続いていると前向きに捉えたい。まだつぼみもあるので、今月下旬くらいまではハスの咲く風景が楽しめるのではないか」と話している。