球聖超えたイチロー!歓声に、日本酒に酔った「粋な計らいですよね」

 クライマックスがいきなり訪れた。一回だ。イチローが右腕ラッキーの2球目、148キロの外角直球を右前へ運んだ。5試合連続となる安打でメジャー歴代2位で前日並んでいたタイ・カッブを抜く4192安打。その瞬間、敵地のスタンドから予期せぬ拍手がわき起こり、どんどん大きくなった。

 「(拍手が)徐々に大きくなってきて。僕は次のプレーに気持ちはいっていた。いい戸惑いだけどねぇ、これは。うれしい戸惑いでしょうねぇ」

 大リーグのみの記録ではない、あくまで日米通算の参考記録。記録の告知は一切なかったが、カ軍ファンはカッブ超えを知っていた。イチローはヘルメットを取って声援に応じると、ファンも総立ちになった。セントルイスは野球の街として知られ、郊外には2004年にイチローが262安打を放ち破るまでシーズン最多安打記録保持者だったジョージ・シスラーの墓があり、09年の球宴出場の際には献花した。カ軍ファンはそんなイチローの勲章をそのまま受け入れてくれた。自らも参考記録と心得ながら「ここのファンは野球をよく知っているし、品格があることでも知られている。他の場所ではなかなかこうはならないと思います」と感謝した。