【鑑賞眼】歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」 坂東三津五郎に捧ぐ舞踊2題(1/2ページ) - 産経ニュース

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鑑賞眼

歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」 坂東三津五郎に捧ぐ舞踊2題

 恒例の3部制。今年2月に急逝した十代目坂東三津五郎に捧ぐ舞踊2題を配した。

 第1部の「棒しばり」は十代目の長男、巳之助(みのすけ)が父と同じ太郎冠者(かじゃ)、対する次郎冠者は十代目と名コンビだった十八代目中村勘三郎の長男、勘九郎。両手不自由で酒を飲み、踊るさまに狂いなく、芸の継承に遜色(そんしょく)はない。芸を見せるより、楽しませた親の域に近づきたい。主人、松兵衛で坂東彌十郎。

 第3部で「芋掘長者」。十代目が平成17年に復活上演。踊り下手な芋掘藤五郎を中村橋之助、彼に舞を指南する友人、治六郎が巳之助で、さわやかな舞踊劇に仕上げた。

 新歌舞伎の楽しさを満喫させる2作。第1部の「おちくぼ物語」。美しい姫(中村七之助)が継子(ままこ)イジメを振り切って、美男貴公子、左近少将(中村隼人)に求愛される歌舞伎版シンデレラ物語。隼人が烏帽子直衣(えぼしのうし)姿も堂々と気高く大収穫。第3部「祇園恋づくし」は平成歌舞伎の傑作。京都代表、大津屋次郎八(中村扇雀)と江戸代表、指物師留五郎(勘九郎)のお国自慢と艶話。扇雀のほあーんとした京弁と勘九郎の鉄砲玉の江戸弁で笑い放し。