関電に激震…セブン-イレブン関西の電力、東電乗り換え決定で越境販売、さらに活発化か

 東京電力が、セブン-イレブン・ジャパンの関西約1千店舗に電力供給を獲得したことで、従来の供給エリアを越えた電力会社間の販売競争が激化しそうだ。攻め込まれた関西電力は、顧客のつなぎ留めや首都圏市場の攻略を急ぐ。ただ、電気料金が高止まりする一方、値下げの切り札である原発の再稼働は見通しが立たない。来春の電力小売り全面自由化を前に、厳しい状況が続く。

関電、苦境続く

 関電は業績の悪化で2回の値上げに追い込まれており、値上げ幅は企業向けで約3割、家庭向けで約2割に達する。セブンと同様、安い電力を求めて新電力などに切り替える大口顧客が増え、解約件数は平成26年度までで累計約1万2500件に及んだ。関電は「価格競争力で劣後している」(八木誠社長)と危機感を募らせる。

 打開策の1つが、国内最大市場である首都圏への進出だ。昨春に子会社を通じて、首都圏での小売りに参入。東電と激しい戦いを繰り広げている。昨秋、東電は家電量販最大手、ヤマダ電機の関西地区の一部店舗で電力供給を開始。今年2月、今度は関電が、ヤマダ電機の首都圏の一部店舗に電力販売を始めた。

「首都圏で取り返す」

 さらに、首都圏での電力供給の強化へ千葉県内の天然ガス火力発電所を買収。「おひざ元で奪われた顧客を首都圏で取り返す」(関電幹部)考えだ。

 また、来春の家庭向け電力小売り自由化もにらみ、電気の利用状況を一覧できるウェブサービスを充実させるなど、顧客のつなぎ留めにも全力をあげている。

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