独占欲の末の蛮行だったのか。東京都豊島区のマンションで、女性(22)が約1週間監禁された事件。逮捕された職業不詳、渡辺淳一容疑者(43)は知り合いだった女性に面会を拒否され、一方的に思いを募らせていった。女性を全裸にし、両手足を結束バンドでしばるなど異常さが際立つが、食事や入浴はさせていたという。「会いたい気持ちがどんどん強くなった」。20歳以上も年の離れた女性に向けられた男の歪んだ愛情が犯行へと駆りたてていった。
「助けてください」 早朝の住宅街に響いた声
「監禁されています。助けてください」
6月8日午前8時ごろ、東京都豊島区長崎の路上で、消え入りそうな声が通行人の女性の耳に届いた。
路地に面したマンションの1階から発せられた被害女性の必死の叫びだった。通行人の女性はすぐさま110番通報。駆けつけた警視庁目白署員がベランダから室内に踏み込んだ。
女性は全裸で手足を結束バンドで縛られていた。バンドからはワイヤが伸び、クローゼットにくくりつけられ、行動を制限されていたことは明らかだった。
目立った外傷や衰弱などはなかったが、署員は女性を病院に搬送。部屋の借り主の渡辺容疑者が関与したとみて、監禁容疑で行方を追った。