菅長官「大きな距離」 普天間移設めぐり翁長知事と集中協議

 菅義偉官房長官と沖縄県の翁長雄志知事は12日、県庁で会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)移設問題に関する政府と県の集中協議をスタートした。菅氏は市街地の中心部にある普天間飛行場の危険性除去のため移設の必要性などを指摘した。翁長氏は沖縄の基地負担軽減に向けて辺野古移設反対と県外移設を改めて求めた。

 菅氏は協議の冒頭、「忌憚のない意見交換をして理解を深め、誠心誠意、協議をしたい」と強調した。協議では、普天間飛行場の危険性除去と在日米軍基地による抑止力維持の必要性を主張し、日米両政府が合意した辺野古移設が「唯一の解決策」であることに理解を求めた。

 これに対し、翁長氏は普天間飛行場移設問題の原点が戦後の米軍の強制収用にあるとの認識を示し、「自分たちが奪った基地が世界一危険になったから、またお前たちが代替案を出せというのは理不尽だ」などと述べた。

 菅氏は協議後、「出発点が違い、お互いに大きな距離があった。今日がスタートなので、これから協議を進め、理解が深まるよう努力していきたい」と記者団に語った。

 集中協議は、政府が移設関連工事を中断する9月9日までの1カ月間に計5回程度の会合を開く予定。具体的なテーマを設け、事務レベルの協議も同時に進める。次回は東京で開催する方向で調整している。

会員限定記事会員サービス詳細