政界徒然草

暗躍した「野党清和会」 参院選挙制度改革で安倍首相に助け船 次は安保法制で共闘か

参院選挙制度改革をめぐり会談に臨む自民党と野党4党の幹部=7月21日、国会内(酒巻俊介撮影)
参院選挙制度改革をめぐり会談に臨む自民党と野党4党の幹部=7月21日、国会内(酒巻俊介撮影)

 参院の「一票の格差」是正に向けた改正公職選挙法は、4県2合区を含む「10増10減」で決着した。自民党は合区に反発する党内の調整に難航し、業を煮やした連立与党の公明党と決裂。間隙を縫う形で、安倍晋三首相に近い元自民党の野党議員らが首相に接触するなどして外堀を埋め、自民党に案を丸のみさせた。首相とその20年来の朋友によるこの新たな枠組みは、今国会最大の焦点である安全保障関連法案の参院審議にも影響する可能性がある。

 改正公職選挙法は先月28日の衆院本会議で、来年夏の参院選まで約1年となるギリギリのタイミングで成立した。この直前、参院平和安全法制特別委員会の休憩中に本会議へ向かう首相は、国会内で新党改革の荒井広幸代表と出くわすと、左手をあげて無言で笑顔を向けた。

 荒井氏は、平成5年7月の衆院選で初当選した首相の同期。かつて安倍首相と同じ自民党の「清和政策研究会」(清和会、現細田派)に所属し、離党後も良好な関係にある。その荒井氏が、今回の参院選挙制度改革で黒子役を買って出た。

 5月下旬、参院の選挙制度改革をめぐり、参院自民党執行部は都道府県単位の選挙区制度維持を主張し、合区導入に前向きな他党と対立。荒井氏は議論の停滞を懸念し、自民党案の「6増6減」に4県2合区を加えた独自の「10増10減」案を各党に伝えた。

 この間、荒井氏は5月28日と6月2日に首相と食事をともにした。「早く参院選挙制度改革をやらないと国民の信用が得られない」と進言する荒井氏にうなずく首相。荒井氏は産経新聞の取材に「首相とはいつも、あうんの呼吸だ」と語った。