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12年前に登場した「セルフレジ」が進化している。当初はバーコードの読み取りに慣れない消費者が手間取り、かえって時間がかかるなどの問題があったが、新型のセルフレジが登場。衣料品店や書店ではICタグを使って瞬時に商品を識別できるシステムを導入。スーパーやパン専門店では商品の入力を店員に任せて精算のみを客が行う一部セルフ方式が利用されており、行列解消に一役買っている。(加納裕子)
ICタグ活用“秒速”
衣類をかごに入れたままボックスに入れ、待つこと約5秒。すべての商品名が画面に映し出され、金額が表示される。ATM感覚で精算し、1分程度で会計が終わる-。今年3月、衣料ブランドのジーユー(東京都港区)が首都圏の4店舗に設置したセルフレジの光景だ。
秒速での商品登録を可能にしたのは、すべての商品に付けられたICタグ。ジーユーの広報担当者は「お客さまのレジ待ち時間を減らせるほか、レジを担当していた店員を接客にまわせるため、サービスレベルが上がる。下着を買う際に店員に見られるという抵抗感もありません」と話す。
ICタグを使ったセルフレジは書店やレンタルビデオ店でも導入されている。東京都渋谷区の代官山蔦屋書店では、平成23年12月の開店当初から導入。読み取り台の上に本を置けば、数冊まとめて識別する。ICタグには在庫管理や会計済みか否かを識別するセキュリティー機能もあり、店舗スタッフは書籍の提案などの業務に専念できる。