【ウナギ味のナマズは世界を目指す(3)】水産業の経営立て直し、目的のためには泥もすすった 近大准教授・有路昌彦さん(1/2ページ) - 産経ニュース

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ウナギ味のナマズは世界を目指す(3)

水産業の経営立て直し、目的のためには泥もすすった 近大准教授・有路昌彦さん

近畿大の有路昌彦准教授=東京・大手町(古厩正樹撮影)
近畿大の有路昌彦准教授=東京・大手町(古厩正樹撮影)

 --日本の養殖業を良くするという使命感がある

 有路 私はもともと、父親が養殖業者で、大学進学のときから、日本の養殖業が世界産業になり、みんなが豊かになるようにしたいと決めていました。単純に日本の水産業が好きだった。当時は京都大には日本の農業経済系の先生がきら星のごとく集まっていて、「絶対にここに行くぞ」と決めていました。

 --京都大学大学院を修了後に銀行系シンクタンクに進まれた

 有路 最初は国の研究機関にいくか大学の先生になれば政策提言を通じ、世の中がよくなると思っていたが、「違う」と気がついた。論文で10年後、20年後に世の中に影響を与えるかもしれないが、私はいま目の前の人たちの生活を守りたいと思い、方針転換をしました。シンクタンクなどで水産業界の経営立て直しの仕事をメーンにやった。

 --個々の会社の立て直しをしたのですか

 有路 漁協とか会社とかで、新しい事業を作って収益をあげていく仕事をやりました。大学に移ってくるまでに行った経営の再建指導、事業化の案件は58件です。

 --事業化の経験は今の開発の基礎になりましたか

 有路 そうですね、私の血や肉になっている。いまでも覚えていますが、ある漁協の経営再建をする際、1つの支部に人を常駐させられない状況になった。その支部出身の組合員は反対し、彼らに説明した際には、ものすごいヤジと怒号でした。私は「漁協を潰さないため、不便になりますが協力してください」と土下座した。「この人たちのためにやっているのに自分が土下座をする」というのは普通ではできない仕事だと思うが、目的を果たすためには泥をすすってでもやることを学びました。

 --それでも壁は出てくる