大阪市が朝鮮学校に市有地5千平方メートル売却へ 半世紀も無償利用 大阪地裁で和解協議

 市管財課によると、土地の鑑定価額は24年当時の評価で約7億円。市幹部は「契約は議会の可決を必要とすることもあり、市民の理解が得られないような低い価格で売却することはありえない。通学する児童への影響を最小限にするよう配慮しつつ交渉を続けている」としている。

■統廃合で資金捻出か

  大阪朝鮮学園をめぐっては平成23年度以降、府の補助金が打ち切られたことや児童・生徒数の減少により慢性的な資金不足に陥っており、中大阪朝鮮初級学校が建つ市有地の購入には難航も予想される。学園関係者によると、府内9校の初・中級学校を統廃合して一部の土地を売却し、購入原資を捻出する計画の検討も始まったという。

 同学園では今年2月、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)へ納付が義務づけられている社会保険料の掛け金2億円超の滞納が発覚。学校法人を所管する大阪府によると、現在まで支払いは行われていないという。

 昨夏に始まった今回の和解交渉では当初、賃貸契約の締結も模索されたが、市側が求めた月124万円の賃料に対し、学園側は半値を大きく下回る金額での契約締結を要求。交渉の進展につながらず、苦しい財政状況が浮き彫りになった。

 公安関係者によると、学園が社会保険料の未納や学校明け渡し訴訟などの問題を抱えるなか、朝鮮学校の運営に密接に関与する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)本部も今年に入り、資産処分による財政再建を容認。学校の統廃合には保護者らの強い反発も予想されることから、学園側は秘密裏に売却先などを検討しているという。

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