韓国が長らく注視してきた「戦後70年の安倍首相談話」が発表されるまで3週間を切った。「談話で朝鮮半島の植民地支配と侵略に対する心からの反省と謝罪をせよ」と、韓国ではメディアを中心に謝罪要求にこだわる主張が相変わらず幅をきかせている。談話が具体的にどのような内容になるのかは不明だが、「謝罪」は盛り込まれない見通しという。ただ、たとえ「謝罪」の意が込められようが、韓国のメディア世論には納得しようとする雰囲気はうかがえない。安倍政権批判は談話後も確実に続きそうだ。(ソウル 名村隆寛)
反日ロビー成功で息を吹き返す
4月末の安倍晋三首相による米議会演説の後、激しい日本バッシング、反日報道が一時は影をひそめ、比較的おとなしかった韓国メディアが、また日本との歴史認識問題で元気を取り戻している。日韓双方のユネスコ世界遺産登録が今月、韓国側の意向が反映されるかたちで実現したことが、メディアなどの自信の背景にあるようだ。
韓国は、世界遺産への登録が決まった「明治日本の産業革命遺産」のうち「戦時中に朝鮮半島の人々が強制徴用された施設7カ所が含まれている」と特に5月の時点から反発していた。