法廷から

獄中出産の「声優のアイコ」 突然4歳児の「ゲンキ君」に

 神被告自身が性同一性障害とはっきり認識したのは23歳の時だった。飲食店の店主に「君、心は男なんだよね」と言われたとき、「はい、そうです」と口にした瞬間、肩の荷が下りてすごく楽になったという。

 普段はジーパンにTシャツのメンズ服を好み、化粧品や女性の服も一切持っていない。今まで化粧は1度だけ約5年前に酒を飲んだ状態でふざけてやったという。ただ、その時も「気持ち悪い」と思ったという。逮捕後の留置場では、最初女性下着を支給されたが、「気持ちが悪いので取り換えてもらった」と振り返った。

 勾留中の昨年9月には執行停止が決まり、東京都内の病院に入院し、子供を出産した。「ぜんぜん妊娠に気づかなかった。そういう行為は一切していなかった。男性ホルモンを入れていたので生理は止まっており、おなかも大きくなかった」と話した。

父への確執、母への信頼

 父との確執など家族のことも詳しく語った。「おやじはすぐにキレやすく、かっとなって暴力を振るった」と振り返った。

 小学4、5年生のとき、鉄亜鈴であざができるほど後頭部付近を殴られたという。16歳の時にはバイトを終え夜遅く帰宅したことをとがめられ、首を絞められた。「ほっといたら殺されるほどの強さだった」という。

 怒鳴られることもあり幼い頃から父と食卓を囲むのが怖かった。

 「おやじのせいで家がひどいことになっているのに、それでも自分が一番偉いという態度が許せなかった」。神被告の父に対する確執の深さが垣間見えた。父はゴルフショップを個人で経営していたが自己破産し、その後はギャンブルにはまって借金が膨らんだという。

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