法廷から

獄中出産の「声優のアイコ」 突然4歳児の「ゲンキ君」に

 一方で、ドスの聞いた声が特徴の別人男性の「コウジ」になり、性格も豹変(ひょうへん)した。その人格で母に電話をしたことがあったという。

 今回起訴された全ての事件で、犯行で名乗ったのが「アイコ」。神被告は「僕の携帯電話に『アイコ』宛てのメールが3人から届いたことがあった。『アイコ元気?飲みに行こうよ』と催促メールだった」と話す。ただ、「いたずらで間違いだと思い、返信はしなかった。あまりにもしつこくメールが来るので消去した」と振り返った。

 神被告はいずれの人格についても、その際のことは記憶がないという。

 今回の事件で逮捕され取り調べを受け、現場から指紋やDNAが検出されたと知らされた。「初めは誰かに細工されたと思ったが、今考えると自分がやったから指紋やDNAが出ても当たり前だなと思った」という。

 5月の第5回公判までは無罪を主張していたが、同公判で罪を認めた。「自分の中に違う人格がいると思ったので」と理由を説明した。

妊娠にまったく気づかず

 公判では性同一性障害のことも語られた。性に対する違和感は小学4年生の時だった。体育の授業で男女で着替える部屋が別々になった際、「自分が女の部屋でいいのか」と疑問に思ったという。ただ、誰にも相談しなかった。

 中学生になってもなるべく制服を着ないようにし、ジャージー姿で登校していた。私服では男性用の服を着ていた。高校入学後、女友達となじめずに1年生の時に中退した。

 19歳の頃、当時働いていた職場で、同僚の女性にボディータッチされ、意識してしまい話せなくなったという。恐怖で過呼吸やパニック発作を起こした。当時は「自分は男性」という認識はなく、「この気持ちをどうしたらいいかわからず戸惑った」と振り返った。人を避けるようになり、緊張を和らげるために酒が手放せなくなった。

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