主張

被爆70年 「過ちは繰り返しませぬ」 誓うべきは核保有国である

 広島は被爆70年の「原爆の日」を迎えた。

 人類が初めて体験した核兵器の惨禍を知る被爆者の平均年齢は今年、80歳を超えた。遺族も高齢化している。

 長崎とともに被爆地が訴え続けてきた「核兵器廃絶」は、いまだ道筋が見えない。

 ロシアのプーチン大統領は、昨年のクリミア併合の際に、あろうことか核使用の準備も指示したと述べた。核戦力の増強を図る中国は、海洋覇権を狙い周辺国に脅威をばらまいている。北朝鮮は変わらず核開発に狂奔する。

 ≪慰霊の政治利用許すな≫

 節目の今こそ核兵器廃絶へ向けて、まずは核軍縮・不拡散の一歩を踏み出さなければいけない。

 何度か8月6日の広島を訪れ、印象に残るシーンがある。

 まだ夜が明けぬ平和記念公園に、孫であろう若者に車椅子を押されて老婦人がやってきた。

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