ASEAN外相会議

米国の対中姿勢にためらい 関係悪化を配慮、南シナ海の挑発的行動抑止できず

 【クアラルンプール=吉村英輝】東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合では、南シナ海の実効支配を強化する中国に米国がどう圧力をかけるかが注目された。だが、他にも重要な外交案件を抱えるケリー米国務長官の対中姿勢にはためらいもみられ、ASEAN諸国の期待へ十分に応えることはなかったようだ。

 6日に行われた東アジアサミットの外相会議。冒頭の記念撮影後、中国の王毅外相に呼び止められると、ケリー氏はけがをした足を引きずったまま、笑顔で握手に応じた。

 ケリー氏は昨年、南シナ海での挑発的な行動の凍結を中国に提案し、「言うべきことは言った」と胸を張った。米オバマ政権が掲げるアジア太平洋に戦略の重心を移すリバランス(再均衡)にASEAN各国が懐疑的な目を向けるなか、懸念払拭(ふっしょく)に努めた。

 だが、中国はその忠告を無視する形で岩礁埋め立てを継続し、滑走路建設など軍事拠点化に向けた新たな段階に歩を進めた。米国は、中国の人工島周辺に米軍機や艦船を進入させる姿勢を示し、各国が動向に注目する。ただ、ケリー氏は昨年同様、中国に開発中止を要求したが、実力行使などには言及しなかった。