友人からおすすめの温泉地を尋ねられたり、実際に同僚を温泉旅館に連れて行ったりしたこともあったが、友人らはタトゥーを彫っていたため入浴できなかったという。
「カナダでもタトゥーに反社会的なイメージを持つ人はいるので日本人の心情は理解できる。ただ、すべてが悪いものではないことも知って臨機応変に対応してほしい」とファーガソンさんは訴える。
根強い国内の抵抗感
旅館業法などの規定では、違法行為や風紀を乱す行為をする恐れがあると認められた場合、利用を断ることが可能だ。入れ墨・タトゥーについて具体的な定めはないが、暴力団関係者を排除する目的で大半の施設は利用を断っている。
入れ墨・タトゥーの入浴拒否については、国内でもファッション性の高いタトゥーを彫る若者の増加に伴い、たびたび議論が起こってきた。
東京五輪に先駆けて2019年にはラグビーワールドカップが日本で開催される。ニュージーランド代表は先住民マオリ族の血を引く選手らで編成され、「オールブラックス」と呼ばれている。伝統的なタトゥーを施している選手も多いが、平成25年9月には、北海道恵庭市の温泉施設で、マオリ族の伝統的な刺青を顔に入れていたニュージーランドの先住民族の女性が入浴を拒否されたケースもあった。