東日本大震災の津波で被災したJR仙石線の旧野蒜(のびる)駅(東松島市)をめぐり、東松島市は4日、同駅のプラットホームを震災遺構として残す方針を決定した。プラットホームには当時のままの姿で線路や看板が残されており、駅舎は改修され、観光拠点として活用されている。今秋、保存のための復興交付金を申請する。
県震災遺構有識者会議は昨年12月、同駅プラットホームを「保存する意義は認められる」と結論づけた。
市も調査を行い、保存を検討。市は6月から7月にかけて、住民などに対してパブリックコメント(意見公募)を実施し、結果を4日に公開した。21件の意見が寄せられ、旧野蒜駅の保存に賛成する意見が多数集まったことを踏まえて保存の方針を固めた。
市は今後、プラットホームをJR東日本から買い取る方針という。
一方、新たな野蒜駅は約500メートル、海抜約22メートルの内陸の高台に移設され、5月30日のJR仙石線全線開通から利用されている。