自民党の行政改革推進本部(河野太郎本部長)は4日、新国立競技場の建設計画見直し問題をめぐり、国際コンペでザハ・ハディド氏の案を最優秀と決めた有識者会議の議事録を報道陣に公開した。技術的な問題を認識しながら決定に至った経緯が浮き彫りになった。
公開されたのは、平成24年11月15日に非公開を前提に開かれた「国立競技場将来構想有識者会議」の第3回会合の議事録。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が行革推進本部に提出した。
議事録では、審査委員長の安藤忠雄氏が最終選考に残った3案からハディド案を選んだ理由を「スケールが大きく、技術的な問題もたくさんある。問題を解決できるのは日本の土木建築技術力だ。日本の技術を世界にアピールする」と説明。「スポーツは可能性への挑戦であり、日本の技術者が立ち向かうという意味でいい」とも強調した。異論を表明したのは森喜朗元首相で、3案に「宇宙から何かがおりてきたという感じ。神宮の森に生ガキがいる感じがする」などと違和感を表明していた。
議事録を公開した河野氏は4日、記者団に新たな国立競技場の建設見送りも選択肢とすることを党提言に盛り込むよう、稲田朋美政調会長に求める考えを明らかにした。