新社長 我かく戦う

城山観光社長・東清三郎氏(58) 鹿児島

 ■「ブライダル、外国人誘致を強化」

 鹿児島市の「城山観光ホテル」を運営する城山観光の新社長に、鹿児島銀行出身の東清三郎氏(58)が6月22日付で就任した。元野村証券の伊牟田均会長(67)から、2代続けて金融業界出身の社長就任。鹿児島の観光を牽引(けんいん)する名門ホテル運営会社のかじ取り役として「ブライダル業界、外国人観光客の誘致を強化したい」と語った。(南九州支局 谷田智恒)

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 就任後まず、幹部社員らと面談しました。それぞれ短い時間だったが、ホテルや鹿児島の観光への思いを聞き、短期的、長期的な課題について、意見を聞きました。

 就任から1カ月が過ぎ、よく社員は頑張っていると思います。来館するゲストの多さには驚きました。城山観光ホテルは鹿児島になくてはならない、観光の「核」だと痛感しました。

 銀行時代に本店営業本部長を2年間やり、城山観光は取引先としての付き合いはありました。私的整理を経て現在にいたる経緯や現在の財務・人事は一通りわかってはいましたが、やはり入った後では、考え方が良い意味で変わりました。

 昔を振り返ると城山には遊園地があり、母が鹿児島市出身で、幼少期にそこで遊んだ記憶があります。身近で、夢のある所だとのイメージは持っていました。

 銀行員時代には城山で結婚式を挙げる知人がいました。鹿児島でのナンバーワンホテルでの挙式は、本人はもちろん家族・親類にとっても「晴れがましい」との思いが強くありました。

 社長としてそうした「思い」を引き継いでいきます。銀行もホテルも同じサービス業で、「顧客第一」など重なる所は多いですし、銀行時代に培った顧客との「絆」は大事にしていきたい。新しい関係を築き、城山の業績向上に資することができればと思います。

 最近は金融業界も観光を重要な成長産業の柱に据えています。私も観光面でいろいろな営業施策に取り組んできました。引き続き深掘りをしていきます。

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 海外からの観光客には鹿児島に来て、食べて、リピーターになってもらいたい。これまでも鹿児島や宮崎産の食材の商談会を海外で開き、「おいしかったので」と鹿児島に来てもらうことをやってきましたが、城山観光ホテルでもこの流れは大切にしたい。

 鹿児島は上海、台湾、香港への直行便があるのが強み。ただ、北部九州よりも南九州は外国人観光客が少ない。クルーズ船があまり来ないのがハンディキャップでしょう。いかにインバウンド(訪日外国人)を取り込むべきか関係機関と連携し、強化していきます。

 外国人の宿泊客数は平成25年は9751人、26年は1万2279人と年々増えています。その比率は26年は7%弱でした。それを10%に高めたい。地域別では台湾、中国、韓国、香港などからが増えています。

 21年から社員の中国・上海研修を始め、現地の習慣や旅行動向を学ばせています。英語、中国語、韓国語を話せる社員・パートを11人採用しました。海外からの宿泊客の皆さんには「言葉の面で困ったことはない」と評価をいただいております。そうした外国語ができるスタッフをもっと増やしたい。

 今、鹿児島には留学生が約500人来ています。先ごろ、意見交換会を開きました。ホテル業界への理解を深め、鹿児島で就職してもらえたらいいですね。

 足元の業績は九州新幹線全線開業の効果も一段落し、昨年はブライダルの実績が落ちました。消費税増税の影響が考えられるが、現状分析ではブライダルとインバウンドの取り込みの強化が喫緊の課題ですね。

 ブライダルではこのところ、披露宴をやらない人が増えている。それをどうすればやってもらえるのか。25年に鹿児島ウェディング協議会を設立し、ホテルでの結婚披露宴のPRをしています。上海からは「フォトウエディング」も誘致しました。

 実は香港では「香港での披露宴はお金がかかるから」と、日本で挙式するケースが増えており、北海道と沖縄が実績を上げています。鹿児島でもそうした海外からのウエディングを誘致し、ブライダル事業全体を盛り上げていきたい。

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 城山観光ホテルは鹿児島の地域一番店です。そのブランドを今後も大切にしていきます。知覧茶ジャムや安納芋ジャムなど、独自に開発した商品も好評です。そうした城山ならではの地産地消の商品で、鹿児島の食の魅力を紹介していきたい。金融もホテルも民間企業ですから業績を伸ばすのはもちろんですが、地域の雇用も増やさなければいけません。それが地域経済、景気の下支えになります。

 地方創生というのは、そういうことです。モノが売れれば、それに伴い設備投資を行い、人を雇用する。そうした経済の循環を繰り返すことが地方創生につながります。城山観光ホテルはこの4年で社員は100人増え、地域貢献もできてきました。今後も地域に色々な形でコミットしながら城山ブランドをより一層、高めていこうと考えます。

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【プロフィル】東清三郎

 ひがし・せいさぶろう 昭和31年、鹿児島県さつま町(旧・宮之城町)生まれ。50年、県立宮之城高校卒業後、鹿児島銀行に入行。取締役本店営業本部長、取締役宮崎支店長などを経て、平成26年6月、常務取締役宮崎支店長となり、今年6月に退任。上村基宏頭取とは同期入行。

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