ハッキングで「ジープ・チェロキー」遠隔操作 米専門家、実験成功

 車載コンピューターによって電子制御されている最近のハイテクカーは、ハッキングによって乗っ取られる脆弱性が指摘されているが、米国のコンピューターセキュリティーの専門家2人がフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)製の「ジープ・チェロキー」の安全実験を行ったところ、走行中にもかかわらず、ハッキングによって外部から遠隔操作されてしまうことが分かった。これまでは、走行中の車内でパソコンを車載コンピューターに接続して乗っ取った実験例はあったが、一切車体には触れないで車外の離れた場所から車のコントロールを奪ってしまう実例が示されたのは初めて。慌てたFCAは修正ソフトを配布する。

 AFP通信などによると、ジープの安全実験を行ったのは、米ツイッターでセキュリティー・エンジニアを務める元国家安全保障局(NSA)アナリストのチャーリー・ミラー氏と、米セキュリティー会社IOアクティブの取締役、クリス・バラセック氏。

急に減速、ハンドルも…

 2人は2014年モデルのジープを対象にし、米セントルイス郊外のハイウエーを時速約110キロで走行中の車の空調やオーディオプレーヤー、エンジンなどを数キロ離れた場所にあるノートパソコンから制御する実験を行った。そして米テクノロジー誌「ワイヤード」(21日発行)に実験結果を発表した。

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