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世界遺産・二条城前にある京都国際ホテル跡地(京都市中京区)の再開発計画が揺れている。阪急不動産(大阪市)がマンション建設のために取得したものの、京都市からの要望を受けホテル建設用地として他社に転売することにした。ホテル不足が指摘される京都観光には朗報となりそうだが、民間企業に対する市の「口先介入」には専門家から疑問の声もあがっている。
京都国際ホテルは藤田観光(東京)が昭和36年に開業。二条城が目の前という好立地だったが、施設の老朽化などを理由に営業を終え、昨年12月に阪急不動産に売却した。敷地面積は約7500平方メートル、価格は明らかにされていない。
阪急不動産がマンション建設を検討していたところ、今年1月に京都市が、同社とその親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)に「国際観光都市にふさわしいホテルの誘致を切望する」と異例の要望書を出した。
市側には「観光客は増えているが、ホテルが足りない。この状況を打開するために、企業にも協力してほしいという思いがあった」(観光MICE推進室)。平成26年の同市内の外国人宿泊客数は、前年比約62%増の183万人。市は32年までに300万人とすることを目指している。