「良識の府」だから実のある論戦を期待したが、参院に舞台を移しても変わらない。安全保障関連法案を「戦争法案」と呼び、集団的自衛権の行使は「憲法違反」と決めつける。これが一番世論にアピールすると考えたのだろう。憲法学者の大半が「違憲」というアンケート結果が錦の御旗のようだ。
▶安倍晋三首相が東シナ海のガス田施設など中国による今そこにある脅威を示しても、聞く耳を持たない。昨日の特別委では「戦争法案」は「極めて不適切な表現」と不快感を示したが、不快指数が高いのは猛暑のせいだけではない。首相補佐官の失言で足を引っ張られるのもお気の毒である。
▶野党、とりわけ民主党にお尋ねしたい。政権党だったのだから独自の安保政策をお持ちだろう。それを示してほしい。「護憲」が一枚看板で「憲法9条によって平和が守られてきた」と主張する政党もあるが、まさか「日本を守る」より「憲法を守る」のが大事とは言いますまい。