安保法案・ヒゲ隊長質疑詳報(1)

「プラカードより法案掲げろ!」

参院平和安全法制特別委員会で質問する自民党の佐藤正久氏=28日午前、国会・参院第1委員会室(酒巻俊介撮影)
参院平和安全法制特別委員会で質問する自民党の佐藤正久氏=28日午前、国会・参院第1委員会室(酒巻俊介撮影)

 集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案は28日、参院平和安全法制特別委員会で実質審議がスタートした。「ヒゲの隊長」として知られる自民党の佐藤正久元防衛政務官が質問のトップバッターとなり、元自衛官の経験を生かし法案の必要性について政府の答弁を引き出した。やりとりの詳細を紹介する。

 佐藤正久氏「日本を取り巻く環境が厳しくなったとの認識は、多くの政党が共有している。であれば、厳しくなった環境から、日本国民のリスクを下げるため自衛隊に動いてもらうことが必要だ。そのための法律を整備するのは政府だけの責任ではない。われわれ国会議員が国民の代表として、与野党関係なく、いかに国民のリスクを下げるか、そのために自衛隊にいかに動いてもらうかの法案を出すべきだ。プラカードを掲げるのではなく、法案を掲げてしっかり議論すべきだと思うが、首相の考えは」

 安倍晋三首相「国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくことは政治家にとって最も大切な責務だ。本来、与党も野党もない。わが国を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増しており、情勢をしっかりと分析・評価し、国民の命と平和な暮らしと領土、領海、領空を守り抜くため、砂川判決の言う必要な自衛の措置とは何かをとことん考えぬいていく責任がある。衆院では維新の党が対案を提出し、議論がかみ合った。野党にも対案や独自案を提出していただき、安全保障に関する法律は、できる限り一致点を見いだす努力を重ねていくことが政治家に課せられた責務だ」

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