「合区」導入の改正公選法が成立 「10増10減」一票の格差是正へ

 参院の「一票の格差」是正に向け、「鳥取と島根」「徳島と高知」の合区などで選挙区定数を「10増10減」する公職選挙法改正案は28日午後の衆院本会議で自民党や維新の党などの賛成多数で可決・成立した。選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる来夏の参院選から適用される。都道府県単位だった参院選挙区への合区の導入は、現憲法下では初めてだ。

 連立政権を組む公明党は格差2倍未満にこだわり、参院に続いて衆院でも格差約3倍の10増10減案に反対し、与党内で法案への賛否が分かれた。

 10増10減案は、この日午前に開かれた衆院政治倫理・公選法改正特別委員会で自民、維新などの賛成多数で可決。午後の本会議で緊急上程された。

 合区をめぐっては、対象4県選出の自民党参院議員6人が反発し、24日の参院本会議で退席。党執行部は次期参院選での救済策を検討している。

 10増10減案は自民と維新のほか、次世代の党、日本を元気にする会、新党改革が23日に参院に共同提出。宮城、新潟、長野の3選挙区の定数を各2減し、鳥取と島根、徳島と高知を合区して定数を4減する一方、北海道、東京、愛知、兵庫、福岡の5選挙区の定数を各2増する。平成22年国勢調査に基づく最大格差は2・97倍となる。

 改正案の付則には次々回の31年参院選に向けて「選挙制度の抜本的な見直しを引き続き検討し、必ず結論を得る」とも明記した。

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