韓国MERS感染

韓国首相が事実上の終息宣言 外国人観光客激減、景気回復への危機感背景に 

 【ソウル=名村隆寛】韓国の黄(ファン)教安(ギョアン)首相は28日、中東呼吸器症候群(MERS(マーズ))コロナウイルスへの対策会議で「状況を総合すれば、国民は安心してもいいというのが医療界と政府の判断だ」と述べ、MERS感染の事実上の終息を宣言した。

 黄首相は「厳正な国際基準に従った終息宣言には、まだ時間が必要だとの意見もある」と語った。その一方で、23日間新たな感染者が出ておらず、感染の可能性がある隔離対象者が27日にゼロとなったことなどをあげ、国民に通常の生活に戻るよう促した。

 韓国では5月にMERSの最初の感染者が確認されてから計186人が感染し、うち36人が死亡した。28日の時点で12人が入院中で、うち1人からなお陽性反応が出ている。新たな感染者と死者は出ていない。

 韓国政府は8月末以降に行う見通しだった正式な終息宣言を事実上前倒しした形だ。背景には、2カ月余りにわたった感染騒動が韓国経済に及ぼした影響の深刻さがある。

 国民が外出を控えたことで、外食産業や小売業などの売り上げが落ちた上に、外国からの観光客が激減。韓国観光公社によると、6月の訪韓外国人観光客は前年同期に比べ41%減少。中でも中国(45・1%減)と日本(41・5%減)からの観光客が大きく減った。