大型バス爆売れ三菱ふそう 前年比2倍の受注 訪日外国人増・五輪が後押し

 円安で小型バスの輸出も伸びており、工場では8月にラインの一部を増設。大型と小型を効率良く生産できるようにする。来春入社する社員の採用も例年の5割増の30人に増やした。

 一方、日野自動車も今年4~6月の大型バスの販売は前年同期比62%増の266台で、特に観光向けが多い。いすゞ自動車との合弁会社で生産しているが、能力増強を検討中だ。

 今年上期の訪日外国人客数は前年同期比46・0%増の913万9900人で過去最高だった。時間や経済的に余裕のある中高年の国内旅行も増えており、観光需要は活発だ。

 高速バスの死亡事故を受け、国が価格競争による過酷な勤務や安全軽視を防ぐため、料金改定を行った影響も大きい。事業者は一定の範囲内で運賃を設定し、利益が見込めるため、中古車ではなく、自動ブレーキや居眠り検知など安全装備を搭載した新車への買い替えに乗り出している。

 好調な販売は生産にも波及している。日本自動車工業会によると5月の大型バスの生産は前年同月比48・8%増の848台で、6カ月連続のプラスとなった。

 中国人観光客は大型のスーツケースや大量のお土産を持ち込むことが多い。三菱ふそうが開発中の新型バスは安全装備に加え、荷物室も広げる計画だ。橋口本部長は「五輪が近づけば代替も進むだろう。平成31年ごろまで高止まりが続くのではないか」と期待を寄せた。(田村龍彦)

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