中国軍、台湾・総統府の攻撃想定か 外観の似た建物で演習

 【台北=田中靖人】中国国営中央テレビが今月上旬、人民解放軍の演習の模様を報道した際、台湾の総統府に似た建物が映っていたことが判明し、台湾側が反発している。23日付の台湾各紙が報じた。

 問題となっているのは、中国北部の内モンゴル自治区の「朱日和戦術訓練基地」で行われた演習。5日の報道で、総統府に似た建物に向かう歩兵1人の映像が一瞬、映った。映像は、ネット上で拡散している。

 21日付の人民解放軍の機関紙、解放軍報(電子版)は、北京軍区の部隊が同じ場所で行った対抗演習で、敵首脳部への急襲を意味する「斬首行動を成功裏に実施した」と伝えた。台湾の武力統一を念頭に、特殊部隊による総統府の制圧を想定しているとみられる。

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