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大統領選の足引っ張る撹乱兄弟 共和党・トランプ氏&民主党・サンダース氏 暴言・妄言も支持は拡大…

 「米国はゴミ捨て場になってしまった。メキシコはたくさんの問題を抱えた人々を送り出し、米国に問題をもたらしている。彼らは犯罪や麻薬を持ち込む。彼らは強姦魔だ」

 「南の国境に万里の長城を築く。そして、メキシコにその費用を払わせる」

 民主党最有力候補のヒラリー・クリントン前国務長官(67)は、トランプ氏に加えブッシュ氏ら共和党の有力候補を攻撃する材料として、この発言を使っている。トランプ氏の発言に対し、「共和党が即座に『やめなさい』と反応しなかった」(クリントン氏)ことが問題というわけだ。

 大統領選で重要さを増すヒスパニック(中南米系)票を獲得する上で、共和党にとってトランプ氏の暴言騒動がアキレス腱(けん)になるのは確実だ。

 共和党のイメージダウンを恐れた党全国委員会のラインス・プリーバス委員長(43)は、トランプ氏に対して発言をトーンダウンさせるよう求めた。複数の米メディアが報じた。

 12年の前回大統領選で、共和党のミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事(68)はヒスパニック票を27%しか獲得できず、71%のバラク・オバマ大統領(53)に大きく水を開けられた。プリーバス氏はマイノリティー(少数派)層からの不人気に危機感を抱き、支持獲得のための改革を実行に移してきた。トランプ氏の発言はせっかくの努力を水泡に帰させるものだった。