ビジネスの裏側

「打倒中国」日の丸ロケットが反転攻勢「こうのとり」打ち上げロケットのコスト削減が超スゴイ 8月打ち上げに世界が注目

 平成24年度の日本航空宇宙工業会の調べでは、国内の宇宙機器関連事業を手掛ける企業の従業員数は8181人。ピークだった7年度の約8割に落ち込んでいる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトなど官需が多くを占め、国家予算の縮小とともに関連産業の企業数も減少した。

 大阪市内の部品メーカーの経営者は「あまりもうからないが、社員の士気と技術力を高めるためにロケット製造に協力している」と打ち明ける。

 これに対して、安倍晋三政権は、安全保障に関わる問題として宇宙産業の振興に積極的に関わる方針で、今年1月に今後20年の指針となる「宇宙基本計画」を発表。官民が連携してニーズを発掘し、研究開発や民需開拓にも協力して取り組むことで、今後10年間で累計5兆円の市場を創出する目標を掲げている。

 国産ロケットのH2Bの強みは、三菱重工が製造から打ち上げまで手掛ける世界にも珍しい一貫体制といい、スケジュール通りに正確に打ち上げる技術力も高く評価されている。

 ロシアと米国でISSへの物資補給を目的とした打ち上げの失敗が相次いでいるなか、8月16日の打ち上げは、世界中の注目を集めている。JAXA広報担当は「気を引き締めて確実に打ち上げたい」と話す。

 高い技術力で確実に打ち上げる信頼性を武器にする日本勢が、世界の衛星打ち上げ需要を取り込む反転攻勢のきっかけになると期待されている。