アラブで最も権威ある文学賞を日本人が初受賞…塙治夫氏・杉田英明氏

塙治夫・元駐オマーン大使
塙治夫・元駐オマーン大使

アラブ世界で最も権威のある文学賞の一つ「シェイク・ザーイド書籍賞」を、塙(はなわ)治夫・元駐オマーン大使(83)と杉田英明・東大大学院教授(59)の2人が今年、日本人として初めて受賞した。国内のアラブ研究者からは「快挙であり、今後のアラブ世界との交流面で大きな意義がある」と喜びの声が上がっている。

同賞は、アラブ首長国連邦(UAE)の主要構成国、アブダビ首長国が主催。2007年に創設され、今年で9回目。アラビア語の文学作品を対象とした「文学賞」など数部門があり、塙元大使は、アラブ圏初のノーベル文学賞作家ナギーブ・マフフーズの大河小説「カイロ3部作」の邦訳『張り出し窓の街』『欲望の裏通り』『夜明け』(いずれも国書刊行会)で「翻訳賞」を受賞。杉田教授は、近代日本人のアラブ文学受容についての研究書『アラビアン・ナイトと日本人』(岩波書店)で「他言語によるアラブ文化賞」を受賞した。賞金は日本円で約2500万円。

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