〝展示SL〟に命吹き込め 「デゴイチ復活プロジェクト」始動 JR西が技術結集 近代日本「産業遺産」を後世に

〝展示SL〟に命吹き込め 「デゴイチ復活プロジェクト」始動 JR西が技術結集 近代日本「産業遺産」を後世に
〝展示SL〟に命吹き込め 「デゴイチ復活プロジェクト」始動 JR西が技術結集 近代日本「産業遺産」を後世に
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 JR西日本が40年以上にわたり展示してきた蒸気機関車(SL)を再び本線で走らせるプロジェクトを進めている。車体はさびや腐食が進んでいるが、社外の高い技術力も結集させて平成29年度以降の復活運転を目指す。JR西はSLという近代日本の産業遺産を後世に残すことを「社会的使命」と位置付ける。今回のプロジェクトを通じて、ベテランから若手社員への技術伝承を促す狙いもある。(高久清史)

 赤茶に変色し、腐食もみられるボイラーが工場の中央に据えられ、作業員の工具が火花を散らす。

 D51形200号機のボイラーの修復が、大阪市北区のボイラー製造会社「サッパボイラ」で進んでいる。同社は国内のSLボイラーの大規模修理を一手に担うプロ集団。JR西の依頼を受け、復活プロジェクトに一役買うことになった。

 国鉄時代の図面を参考にしながら、今の技術に合うように設計図を引き直したといい、社長の颯波(さっぱ)郁子さん(54)は「何十年先も走ることができるように修繕したい」と意気込む。

 「デゴイチ」の愛称で知られるD51は昭和13年に製造され、主に東海エリアの中央本線を走行。47年からJR西の梅小路蒸気機関車館(京都市下京区)に展示され、来館者を乗せて敷地内を走っていた。プロジェクトでは、今年度末までに修繕、来年度の試験走行などを経て、29年度以降に復活運転する日程を描く。

 復活にかかる費用は約5億円と高額だが、JR西の広報担当者は「産業革命の原動力となったSLを後世に継承したい」と話す。

 JR西が所有するSLは24両で、うち2両がSL北びわこ号、SLやまぐち号として運行している。SLの検査、修復を行う梅小路運転区の態勢を強化するため、今秋以降の運用開始を目指し「SL検修庫」の建設を始めた。さらにSLの保守管理に習熟した社員を育てようと社内公募を行い、昨年、新たに若手数人を同運転区に配属した。

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