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振り込め詐欺などの特殊詐欺グループが「のれん分け」して増殖するケースが止まらない。警視庁が特殊部隊を投入し一度に最多40人を摘発した詐欺グループのトップは以前、別の詐欺グループに末端構成員として参加していたことが判明。詐欺グループ内でノウハウを学んで独立し、系列グループが増殖していく構図が明らかになった。準暴力団などの元暴走族グループの人脈も活用されており、警察当局はあらゆる手を尽くし、組織の中枢に迫っていく。
響き渡る破裂音、捜査員が一斉に突入
JR新大久保駅から西へ数百メートル、オフィスビルやマンション、ホテルが雑多に建ち並ぶ一角に、詐欺グループがアジトとしていた雑居ビルはあった。ビル3階の窓ガラスは、無残にも割られ、警視庁と詐欺グループの壮絶な攻防を物語っていた。
6月16日午前、ビル周辺に破裂音が響き渡るとともに、警視庁の特殊部隊が一斉に乗り込んだ。
同じころ、台東区内や目黒区内などのビルにも一斉に捜査員が進入。過去最大規模の摘発が行われた。
ビルのなかから捜査員が連れ出したのは、男女総勢40人。いずれも詐欺や詐欺未遂の疑いで逮捕された。