28年前のスケッチに固執、根拠希薄な「活断層」 志賀原発の評価書案 新データは考慮せず

 原子力規制委員会の専門家調査団が17日、北陸電力志賀原発(石川県)の敷地内に活断層がある疑いを指摘した評価書案には、「(活断層が)否定できない」「(活断層と)解釈することも可能である」などと曖昧な言葉が連なった。今後確定する評価書は、再稼働に向けた審査の中で重要視されるが、根拠が希薄な評価により、原子炉の廃炉という重大な決断が可能かどうか疑問が残る。

 「活断層の疑い」を判断された大きな根拠は、1号機の建設前の昭和62年に掘削された試掘溝(トレンチ)のスケッチだ。

 このスケッチでは地層をまっすぐに切っていて、活動性があるように見える。ただ古いもので判明しづらく信頼性は薄い。当時の地層はすでに取り除かれ、原子炉建屋などが設置されて再調査ができないことが、調査団を悩ませた。

 このため、断層の活動性を評価するに当たって、北陸電は、問題の地層から延長部に新しいトレンチを掘るなど約40億円かけて調査を拡充。新データでは、延長部で断層がずれていないことが確認されたが、規制委の調査団はこれらの新データを考慮せず、約30年前のスケッチや写真に固執し、「(活断層を)否定できない」という結論を下した。

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