よしもとばななの原作を「花宵道中」の豊島圭介監督が映画化。まり(菊池亜希子)は故郷の西伊豆に帰って、かき氷屋を始める。祖母を亡くしたばかりのはじめ(三根梓)の面倒を見ながら、開店準備に余念のないまりだが…。
のんびりとした土肥の町並みを背景に、経済性では測れない真の豊かな暮らしとは何かを問いかける。決してかき氷だけを食べて生きてはいけないと分かっていながら、あえて素朴な生き方を選択する主人公の思いを、長回しのショットを多用してしみじみと表現しており、心に染みいる。18日、東京・新宿武蔵野館ほかで公開。1時間24分。(藤)
★★★★(★5傑作 ★4見応え十分 ★3楽しめる ★2惜しい ★1がっかり ☆は半分)