芥川賞講評

「いやあ、又吉くんうらやましい、と」山田詠美選考委員

 --又吉作品の「欠点も多々」とは。また、初候補での受賞だが、もう少し様子を見ようという意見は出なかったのか

 「そういうの(もう一作待つという意見)はなかったのですが、欠点といえば長すぎて同じトーンでずっと進むため、前半の緊張感が後半で薄れてきたというのと、結末のエピソードについては、不自然であるという指摘もあったが、逆にこれを持ってくることで、普通のありきたりの小説から脱しているという意見もありました」

 --2作は同点だというが、何点だったのか

 「5.5点です」

 --羽田作品については、否定的な意見は出なかったのか

 「ありました。(小説の)最後は、何かをもっと人にインパクトを与えなければいけないという意見もありました」

 --山田委員は両方とも○を付けたのか

 「そうです」

 --1行1行にコストがかかっているというのは

 「又吉くんはこの小説を仕上げるまでに、今までいろんな人生体験とか、焦燥感とかいろんなものを経験してきた、その人生的なコストが1行1行にかかっている。その元手を取った、ということだと思います」