安保法制公聴会

外交評論家・岡本行夫氏「立派な責任政党が誤ったキャンペーン」「現在の法制どう考えてもおかしい」

 先週、私はイラクにおりました。ISILとの戦いの前線から40キロのところに首都を持つクルド人地区を訪れて話をしました。クルドの人々が「私たちが多くの犠牲を出して、ISILと戦っているのは、自分たちのためだけではない。世界の安全のためです」と語っていました。著名な憲法学者の方が先般の本委員会で平和安全法制が通れば日本はイスラムグループの敵となり、現在、キリスト教国だけで起きているテロが東京で起こることになると陳述していましたが、ISILのテロをキリスト教国家にだけ向けさせておけばよいということでは良いという話ではありません。

 国際社会はお互い助け合っていかなければ生きていけないのです。あえて申しますが、安全保障や対外関係に携わる公務員にとってリスクは不可避でございます。だからこそ、多くの日本政府や援助関係機関の職員が命をかけて危険地域で活動してきた。別の著名な憲法学者の方は、「外務官僚には自衛隊に入隊を義務づけて、危険地域を体験させよ」と主張しております。

 そうすれば自衛隊を危険地域に送る法律は作らないだろうと。こうした現実を無視した違憲によって反対論が主導されているのは、不幸なことだと思う。事実は逆だ。危険だから自衛隊を派遣できないとされるバグダッドには二十数名の外交官が大使館に住み着いて必死でイラクの復興のために今日も走り回っています。すでに2名の外務省職員が尊い命をテロリストに奪われましたが、彼らはひるむことなくバグダッドに踏みとどまり、今も職務も全うしている。