スポーツ群像

開成高出身ランナー・出口翔 日本選手権で見せた乾坤一擲の大勝負

陸上日本選手権男子800m決勝で力走する出口翔(244)=新潟市のデンカビッグスワンスタジアム(読者提供)
陸上日本選手権男子800m決勝で力走する出口翔(244)=新潟市のデンカビッグスワンスタジアム(読者提供)

 自分の価値観に従って生きる。文字にすると簡単だが、そう現実はたやすくない。やりたいことと適性の兼ね合い、あるいは将来への不安、周囲の声…。葛藤を抱えて日々を送る人は少なくないだろう。

 早大に出口翔という4年生がいる。ずっと己の内なる声を大事にしてきた中距離ランナーだ。

 「800mはトラック2周という距離がちょうどいい。駆け引きや、仕掛けどころ、位置どりで順位が変わる。そういうところが面白い」

 6月、日本選手権男子800mに出場した。エントリーは全部で31人。27日の予選は3組に分かれ、各組の1、2着と3着以下の中からタイム上位2人の計8人が28日の決勝に進める。

 出口は、日本記録保持者の川元奨(スズキ浜松AC)や昨年の日本インカレ3位の田中智則(近大)、同5位の村上昂輝(慶大)らと同じ1組。2年連続で関東インカレ7位の出口にとって、日本一を決める決勝の舞台は、まだ手が届かない高き目標だった。

 そもそも彼は日本選手権に出場しているだけでも不思議なくらいの経歴の持ち主だ。出身校は東京・開成高、あの東大合格者日本一の超進学校なのである。

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