主張

無戸籍の子供 多くの目で支援強めたい

 親の事情などで出生届が出されず、無戸籍となっている子供がいる。文部科学省の調査で、学習や生活上の多くの問題が見つかった。

 無戸籍では子供たちが過酷な状況にあっても行政が把握しにくく、救うのが遅れる。地域の多くの目で子供たちを守り支援の手を伸ばしたい。

 法務省が今年3月時点で把握している無戸籍者は全国に567人いる。このうち義務教育の小中学校に通う年齢に当たる142人について、文科省が就学状況などを調べた。

 今回の調査では学校に通っていない子供は1人だけだった。しかし、現在学校に通っていても、未就学期間が最長で7年半ある子がいた。欠席や不登校が目立つ子もいる。学習で「九九ができない」「漢字が読めても書けない」といった報告もあった。

 学用品代などを公費助成する就学援助を約3割が受けており、経済状況が厳しい家庭が少なくないようだ。生活面では、身体的虐待やネグレクト(育児放棄)の疑いがあるケースもあった。

 無戸籍になるのは、民法で離婚後300日以内に生まれた子供は前夫の子供と推定される「嫡出推定」の規定があるため、離婚した母親が別の男性との間に生まれた子供の出生届を出さないケースが多いという。無戸籍の解消には法的手続きが必要なため、敬遠する事情もある。文科省調査でも「保護者の理解が得られず戸籍記載が進まない」という例があった。

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