大災害時の医療機器確保 山梨県と販売業協会が協定 欠品時の支援態勢も構築

 大災害が発生した際に多くの患者を処置することで不足が想定される医療機器を医療機関に緊急補充するため、県は医療機器販売を県内展開する企業組織「山梨県医療機器販売業協会」と「災害時における医療機器等の供給に関する協定」を結んだ。同協会加盟10社は県の要請に、保有する医療機器を提供するが、仮に在庫がなくなった場合には同協会上部組織の社団法人「日本医療機器販売業協会」が、全国で営業する会員企業から必要機器を確保するバックアップ体制が取られる。

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 協定は後藤斎知事と山梨県医療機器販売業協会の諸平(もろひら)あゆみ理事長との間で交わされた。後藤知事は協定について「富士山の火山活動などが懸念される。防災態勢強化では医療機器のスムーズな提供が求められる」と、必要に応じた機器確保で協力関係が構築できたことを評価した。

 諸平理事長も「医療機器は多種多様。災害時の機器提供は協会の役目であり、協定によって県との情報共有が可能となり、県民の期待に応えられる」と語った。

 医療機器とはメスやピンセットの小物類から、体内に埋め込む治療用心臓ペースメーカー、CTやレントゲン装置などのほか、絆創膏、体温計、血圧計や特に災害時に必要となるカテーテル、注射器、透析装置の消耗部品(人工腎臓)、点滴チューブなど多種多様だ。

 同協会はこれらの医療機器を災害時、要請に基づき医療機関や災害対策本部に搬送するが、緊急車両として通行できるよう県が先導する。医療機関については「公設、民間病院に関係なく、届ける」(後藤知事)ことにしている。また、同協会加盟10社は甲府市を中心に国中方面に営業所を設けている。富士山麓や県東部で大災害が発生し、輸送用の国道137号や20号などが通行止めとなった場合には県がヘリ輸送を行うことにしている。さらに加盟10社に機器の欠品が生じた場合には、日本医療機器販売業協会に加盟する全国1134社から提供される。富士山麓や県東部で機器の不足が生じた際、同協会は隣接する静岡、神奈川県の加盟社に機器提供を要請する手はずになっているという。